上原ドン底からの脱出 悪夢の炎上から1か月「心・技・体」工事中

上原浩治「中継ぎピッチャーズバイブル」Season2(43)】雑草が必死にもがいている――。巨人・上原浩治投手(43)にとって、この1か月間は苦境の日々だった。2戦連続の救援失敗をきっかけに勝ちパターン継投から外れ、その後はマウンドに上がらない“空白の2週間”を過ごした。実戦の場へ帰ってきた今も、試行錯誤は続いている。古巣へ復帰したレジェンドに立ちはだかった壁とは何か。苦しむベテラン右腕が、本紙に「どん底」の心境を吐露した。

 順調に見えた上原の古巣復帰ロードが暗転したのは、登板5試合目の4月10日のDeNA戦(東京ドーム)。1点リードの8回に登板したが、この日は直球が高めに浮き、生命線であるスプリットを見極められた。5安打を浴びて3失点で逆転を許し、途中降板となった。

 続く登板も悪い流れは変わらない。15日の広島戦(東京ドーム)は同点の7回に登板。しかし、二死から本塁打を含む3安打で3失点と再び炎上。試合後に首脳陣と話し合い、勝ちパターンの継投から外れることとなった。

 ただ、開幕から4試合連続無失点にG党が沸いていた間も、右腕自身は納得いく感覚を持っていなかった。「まあ、そんな甘い世界ではないということですよ。予想していたわけじゃないですけど、いずれこうなるだろうな、というのは自分でも分かっていたんでね。そういうこと(しっくりこない部分)が、結果として2試合に出てきた」。ファンにとってはまさかの展開も、本人は冷静に現実を受け止めていた。

 炎上の主たる原因ははっきりしていた。上原が巨人と契約したのは3月9日。実戦初登板は開幕直前の同20日だった。「疲労もですし、技術的にもいろいろと。やっぱり1か月でつくるというのは難しいなというのがね…」。キャンプに参加せず、急ピッチで開幕へ間に合わせた影響が出たのは周囲の目にも明らかだった。

 昨今、球界では“キャンプ不要論”も耳にする。だが上原ほど経験豊富な投手でも、キャンプ不参加というリスクにはあらがえなかったということだ。右腕はキッパリと「そういう時期に契約したのは僕。全く言い訳にはならない」とした上で、キャンプに関してはこう持論も述べた。「僕は重要だと思いますよ。特に実戦機会という面で、絶対に必要。気持ちも違いますしね。必要ない、ということはない。段階を踏まないと、何事にも」

 悪夢の炎上から約2週間、上原は実戦マウンドを離れた。「投げ込み、走り込みをして体をつくりたいというのもあったし、精神的にも一度、整理しようと。試合に投げるか、投げないかという状況より、『投げないよ』と言ってもらったほうが気持ち的には楽と言ってはなんですが、体づくりのほうに専念できますから」。右腕が必要としていたのはキャンプの空白を埋めるための“時間”だった。

 体のキレを取り戻すため、練習には短距離ダッシュやジャンプ動作を取り入れた。日本の打者は球種の見極めにたけている。「真っすぐがもう少し速ければ、スプリットで…」と決め球への思いはあるが、メジャー時代は封印していたスライダーの解禁を決断した。

 一軍にとどまりながらの調整も実は自ら望んだことだったという。

「二軍では朝早くから昼までという毎日同じことの繰り返しですが、一軍の動きも早く思い出さないといけない。ナイター、デーゲーム、ビジターの球場であったりというのをね。二軍にいれば同じような生活リズムになってしまいますから」

 15日ぶりの登板となった先月30日のヤクルト戦(東京ドーム)は1回無失点。斎藤投手総合コーチは「球を低めに投げようとしていたし、実際にいっていた。真っすぐも両サイドを使っていた」と評価した。10日の阪神戦(東京ドーム)では7回1点リードという厳しい場面で登板し、見事に三者凡退の無失点に封じて後輩である内海の今季初勝利をアシスト。今季5ホールド、通算95ホールド目をマークした。

 苦境は脱しつつあるのか…。「心技体、まだ全部崩れている。今はどん底にいる」と胸の内を明かした上原だが「きちんと練習して、その中で結果が出れば気持ちも乗ってくるはず」と前を向く。「ここにいる以上はやらなきゃいけない。這い上がるしかないでしょ」。“雑草魂”は健在だ。

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